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近づくと、もっと好きになる。心が通うすみだ水族館のこれから

2022年に開業10周年となった東京スカイツリータウン®。今回訪れたすみだ水族館も、その一部として新たな節目を迎えました。

「地域の新しい顔」として歩んできたこの10年から、これからは「地域に愛されて誇りに思ってもらえる存在」へ。

ペンギンにクラゲにチンアナゴ…そのほかにも見どころ盛りだくさんなすみだ水族館のこだわりを知ると、より足を運びたくなるはずです。

「近づくと、もっと好きになる。」というコミュニケーションコンセプトを詳しく知るために、潜入取材をしてきました!


東京スカイツリータウン®内にあるすみだ水族館のエントランス

何度も気軽に足を運びたくなる「公園のような水族館」

すみだ水族館は、2012年5月に東京スカイツリーの開業と共にデビュー。沿岸部の広い敷地に大きな水槽がいくつもある、といった代表的な水族館のイメージとは異なり、商業施設の中に併設された都市型の水族館です。

そんなすみだ水族館は、普段あまり自然に触れる機会がない方にとっての入口になるような存在を目指し、スタート時からコミュニケーションに重きを置いてきたそう。そのなかで「公園のような水族館」という理想像が生まれました。


すみだ水族館企画広報チームの大橋諒さんにお話を伺いました

今回詳しく教えてくださったのは、すみだ水族館の大橋さん。広報としてすみだ水族館がより多くの人から愛されるためのお仕事を担っています。

「すみだ水族館が理想とする『公園のような水族館』とは、地域の方に愛され、気軽に足を運べるけれどちょっと特別感のある場所です。そのために、のんびり過ごせるよう館内の椅子やソファの数を比較的多めにしていたり、お弁当などの飲食物持ち込みをOKにしています。

また、自由導線を取り入れていて、エントランスからクラゲエリアを越えたあたりからは、階段を降りてペンギン水槽に直接行けたり、チンアナゴたちのいる水槽に行けたりと、お客様が好きな展示に自由に行きやすい構造になっているんです」

実際に館内を巡ってみると、たしかにまるでお散歩をするように、自由にあちこちの展示を覗くことができます。


砂から頭を出してゆらゆらとゆれる。可愛くて一生観察していられそう
ペンギン水槽の前にあるソファに座って眺めていたら、近くまで泳いできてくれました

そしてなんと、すみだ水族館の年間パスポートは、2回分の入館料で買えるというお得さ!年間パスポートを提示すると館内のドリンクが安く購入できたり、併設しているショッピングモールの東京ソラマチ®内のお店でも特典があるそうです。近くに住んでいるならなおさら、ふらりと水族館にも足を運びやすい環境となっています。

館内にある「ペンギンカフェ」では水族館にいるいきものたちにちなんだドリンクやスイーツも

また、平日は夜8時、土日は夜9時まで開館しているので、お仕事終わりにリラックスしている方やカップルのほか、平日の日中は未就学児のお子さんを連れてママ友パパ友とご一緒にいらっしゃる方も多いとのこと。毎日開催されている工作系のワークショップ『アクアアカデミー』は、親子で楽しめる思い出づくりとしても人気だそうです。

休日の特別なお出かけ先になりがちな水族館ですが、すみだ水族館の場合は、より身近に水辺の生き物たちを感じられるのが魅力なのです。

さらに、すみだ水族館を親しみある場所にしている理由はほかにもあります。

近づくと、もっと好きになる。さまざまな結びつきを生み出す工夫

「公園のような水族館」をより具体的にするために、2018年からは「近づくと、もっと好きになる。」というコミュニケーションコンセプトも誕生しました。

たとえば、2020年に新設されたこちらの「ビッグシャーレ」もコミュニケーションコンセプトの基で設計された水槽のひとつです。


すみだ水族館生まれのクラゲたちがプランクトンを食べている様子

長径約7メートルを誇る日本最大級の水盤型クラゲ水槽はアクリル板の隔たりが最低限で、水面から直接クラゲを覗くことが可能。ついつい顔を近づけて、優雅に水中を舞うクラゲに見入ってしまいます。

「このように物理的に近づくことはもちろんですが、いちばん大事にしたいのは心の距離がグッと近づくことです。たとえば生き物や水族館、飼育スタッフを好きになっていただいたり、一緒に来ていただいた人たちとの心の距離も、水族館に来たことがきっかけでグッと近づいてくれると嬉しいなと思っています。現在はこの『近づくと、もっと好きになる。』を掲げ、さまざまな企画や展示をご用意しています」

と、大橋さん。実はすみだ水族館内では、生き物などを説明するプレートの数を最小限まで抑えている分、近くにいる飼育スタッフさんたちに直接お話しをしてもらうことができるのです。

「当館の飼育スタッフたちは自分の言葉で生き物たちの面白さを伝えたいので、お客様から声をかけていただけるととっても嬉しいです。飼育スタッフの方からお声がけさせていただくこともありますが、ご質問があればぜひお気軽に話しかけてみてくださいね」


さっそく、クラゲのラボでいろいろ聞いてみました

実際に気になった点を飼育スタッフさんに質問してみると、とっても親切にクラゲの生態について教えてくださいました!壁に設置されている説明を読むのとは違ったあたたかいコミュニケーションは、水族館に来た満足度をUPさせてくれそうです。

そして、すみだ水族館といえば外せないのが、こちら


すみだペンギン相関図2023

すみだ水族館にいる52羽のマゼランペンギンと飼育員スタッフさんも含めた関係性がまとめられている「ペンギン相関図」は、もともとはペンギンたちの体調やこれまでの恋愛事情などをスタッフ同士で共有するためにまとめられていた情報をもとに、人間と同じように個性や社会性を持つペンギンのことをもっと多くの人に知ってもらおうと作られました。それぞれの関係性は毎年変わるので、2018年にスタートしてから毎年アップデートされています。詳しくはこちら

ちなみに飼育スタッフさんたちは、泳いでいる状態でもペンギンたちを見分けることができるそう!相関図を見るとペンギンたちへの親しみが自然と芽生え、これもまた「心が近づく」感覚になりました。

「地域の新たな顔」から「地域の誇りになる場所」へ

こうして、人々に愛されながら10周年を迎えたすみだ水族館。10周年当日となる5月22日には、すみだ水族館内で生まれた20羽のペンギンたちに墨田区長から「すみペン特別住民票」が授与されるセレモニーも行われました。


それぞれの生年月日や性格・特徴などが記載された「すみペン特別住民票」

すみだ水族館では、開館から毎年10年間連続でペンギンの赤ちゃんが誕生しています。これは、ペンギンたちがすみだ水族館を安心して暮らせる場所として認識している証拠だと捉えています。

「ペンギンの赤ちゃんが生まれるたびに地域の皆さんも喜んでくださって、毎年楽しみにしてくださるファンの方もいらっしゃいます。そんな風にすみだ水族館を人々と繋げてくれたのもペンギンのおかげなので、特別住民票を授与いただいたところから、今後は『ペンギンのいる街プロジェクト』も進めていく予定です。これまでは水族館に来ていただくのみでしたが、10周年以降のこれからは私たちがすみだの街に出ていくことで、生き物の面白さをお伝えしたり、墨田区をより盛り上げていくことができたらなと思っています」

「あそこに水族館ができたらしいよ!」と地域の“新顔”として広まった10年前。これからは、「水族館があるこの街が好き」と思ってもらえるような存在になることを目指し、すみだ水族館は進んでいきます。


すみだ水族館の今後にも注目です

今後は街のあちこちで、すみだ水族館の生き物たちとコラボレーションしたアイテムやイベントに触れることができるかも?そう考えるととってもワクワクしてきました。

もちろん、公園のように訪れることができる、工夫いっぱいの館内にも何度も足を運んでいきたいですね。

素敵なHello!が、今日もあなたに訪れますように。

(取材・執筆:山越栞)

すみだ水族館
住所墨田区押上1-1-2 東京スカイツリータウン・ソラマチ5F・6F  Google mapで見る
営業時間平日 10:00~20:00 土日祝 9:00~21:00 ※最終入場:閉館時間の1時間前
TEL03-5619-1821 (開館時間から18時まで)
WEBhttps://www.sumida-aquarium.com/index.html
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※本記事に掲載している情報は、2022年11月時点のものです。

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