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“Wants”から生まれた優しい消毒。おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー

ここ数年、私たちの日常でより習慣となりつつある「アルコール消毒」。でも、ツンとする匂いが苦手だったり、刺激による皮膚の荒れに悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

そんな人にこそ知ってもらいたい消毒用スプレーが、墨田区で昭和3年から続く薬品メーカーにありました。

今回はそんな商品が生まれた背景を、株式会社島田商店の三代目であり、グループ会社の理創研の代表でもある嶋田淳さんに伺いました。

「一家に一本」はもちろん「一人一本」持っていたくなる、優しい消毒液の魅力に迫ります。


刺激の少ない消毒成分PHMBの頼もしい力

なにはともあれ、まずはこちらの画期的なスプレーについてご紹介させてください。


すみだモダン2015にも選ばれています

「おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー」はその名の通り、徹底した衛生管理が求められるホテルや介護施設など、プロの現場で使われている消毒剤を一般消費者向けに商品化したものです。

主成分となっているのはPHMB(ポリヘキサメチ レンビグアナイド)というもの。除菌・除ウイルス・消毒の力が高いのに、臭いが無く刺激も少ないという驚きの性質を持っています。さらに即効性も高く、数秒で力を発揮するそう。

まるで魔法のようですが、これは一体どのようなしくみなのでしょうか?


株式会社島田商店の三代目、理創研代表の嶋田淳さん

「薬剤って、菌やウィルスに対する作用の仕組みがそれぞれ違うんです。例えば塩素系と言われるものは、菌に対して接触している時間が30分くらい必要なんですよ。なぜなら菌がエネルギーを摂取できない状態にして、その菌が餓死するのを待つっていう仕組みなんですね。例えばプールなどでよくコーチが測定しているのはちゃんと薬品がプールに残っているかを検査しているということなんです」

他に、まな板除菌や衣類の漂白で30分つけ置きする場合なども同じメカニズムだそう。

「一方で、PHMBはひと言でいうと菌・ウィルスの外膜の構造を壊すことで、その活動を停止させます。これが短時間に作用するという強みがあるんです」

こうした科学的なしくみを嶋田さんは知っていたからこそ、コロナウイルス感染症が流行したタイミングで、世に出回りはじめた消毒用スプレーに対しても、プロならではの見かたをしていました。

「本来、薬品にはそれぞれの適した使い方や環境があります。だから、塩素系の姉妹品みたいなものや、ただ“消毒できればいい”という視点から生まれたようなアルコール系の消毒スプレーに疑問を抱いたんです。どちらも皮膚への刺激が強いのはもちろんのこと、塩素系はそもそも効力を発揮するまでに時間がかかるからスプレーには本来不向き。アルコールはたんぱくなどの有機物に弱いので、皮膚との相性が良いとはあまり言えず、金属を錆させる性質があったり、引火しやすかったり……」

そんな中で、誕生してから約5年目のタイミングで「おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー」は爆発的にヒットすることになったのです。


安心素材なのでいろんなところに使えます

ウイルス対策の他にも、靴を脱いだ後や、洗濯物を干す際にシャツの襟元にシュッとスプレーしておけば、除菌によって菌類の増殖を長期停止するため臭いを防ぐことができるそう。また、お掃除後のお風呂の天井にこのスプレーを吹きかけておけば、水で流さない限りカビの発生防止にもなります。

社内のスタッフさんの中には、洗濯槽の使用後にこのスプレーを内部に吹きかけて乾燥させ、カビ予防をしている方もいるそう。アルコールではないので飛行機内に持ち込むこともでき、銭湯やサウナ施設で衛生面が気になる部分に直接シュッと吹きかけても嫌悪感はほとんどありません。

使い方は他にもたくさんありますが、つまり「おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー」は、除菌・除ウイルスといった観点で様々なシーンに活用することができるのです。

でも、なぜ「おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー」に使われているPHMBは、これまであまり注目されてこなかったのでしょうか?


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透明で美しいデザインに込められたこだわり

「実は世界基準で見てみると、日本のような塩素やアルコールによる消毒は一般的には嫌われているんです。海外ではこれらを避けている国も多く、逆にPHMBなどの高機能成分が人気のある成分です。…といいつつ、ウチが一番利益を出しているのは塩素系の薬品なので『塩素屋が作った非塩素系の商品』というわけですね(笑)」

しかしこれには、塩素に精通している薬品メーカーならではのエピソードがありました。

島田商店のメインクライアントの一つに、大手ホテルグループがあります。そのオーナーから聞かれたことが、まだ日本で広く知られていないPHMBに出合うきっかけだったそう。

「そのホテルの人気施設は、入浴剤が入った色つきのお風呂だったんです。だから漂白剤でもある塩素によって色が抜けたら困るとのことで。一方で、衛生管理のための消毒も必須です。そこでオーナーさんから『色を抜かない除菌剤はないのか』と言われて。

困って科学者の友人に相談したところ、ちょうど日本でもPHMBの一般普及をしようとしている海外企業があると。そこで連絡先を教えてもらったのが、今から約18年前のことでした」

それからというもの、PHMBを使った消毒液は島田商店の人気商品になり、ホテルや温泉施設でとても重宝されるようになったのです。

「そんなある日、『これをスプレーにしたら岩盤浴の部屋にも使えるか』と聞かれて『もちろん薄めたら使えますよ』と伝えたんです。そうしたら『面倒だから薄めたやつを作ってよ』と。それまで私たちは、高濃度なものを安く提供することがお客様に喜ばれることだと思って企業努力をしてきました。だからその時、私の中で変革が起きたんです。『面倒なことをやってあげたら、少し高価になったとしてもお客様は買ってくれるんだ』って」

こうして、まずはBtoB向け商品として、「おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー」の原型が生まれました。

その後、一般消費者向けの商品を扱うグループ会社として株式会社理創研を立ち上げ、墨田区の「ものづくりコラボレーション事業」に参加し、デザイナーと組んで商品開発が始まります。

「PHMBという素材の特性をデザイナーさんに伝えたら、透明のパッケージで行きましょうということになったんです。他の薬剤ってここまで無色透明をアピールしたパッケージってないから、そこで個性を出そうと」

無色透明で紫外線による劣化もほとんどないPHMBを活かしたパッケージ

しかし、透明の容器では、多くのスプレーでは封入の際に少なからず入ってしまう微細なホコリなども許されません。そこで、「おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー」は、スタッフが白衣を着た専用の部屋で作っているそう。

思わずじっくり確認してしまうほどのクリアな見た目です

また、「おもてなしのプロが使う無臭除菌スプレー」というなが〜い商品名は、デザイナーさんから提案された際、嶋田さんが大反対したそう。

「こんな名前じゃ売れないって、デザイナーさんと喧嘩になったんです。でも、社内の女性メンバーや妻に聞いてみたら『分かりやすくていい』って。パッケージのデザインは、どこに置いておいてもお洒落で清潔に見えるように配慮しました。例えば介護の場面で使用するときに『汚いものを消毒している』という風に見えてほしくないじゃないですか」

低刺激で肌に優しい消毒スプレーは、このような心の優しさも兼ね備えて、今の形になったのでした。

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変革期で進化を遂げる墨田区のものづくり企業

墨田区は現在、古くから続いてきたものづくり企業が、それぞれに新たな取り組みをしている「変革期」だと嶋田さんは言います。

「もともと、この辺りは大きな企業の下請けとしてピラミッド状にものづくりの文化が作られてきました。でも、今はより安価な海外にその仕事が移ってしまい、町工場は自分たちでオリジナル商品を作るようになりました。技術力が高いからこそ、いいものを作ることができる。そういった人同士で横のつながりがあるのも面白いんです」

嶋田さんは、そんな地元の人たちの魅力と自社の取り組みを次の世代に伝えるために、千葉大学の墨田サテライトキャンパスで90分間の特別講義を年に一度依頼されているそうです。

時代に合わせ、会社に変革をもたらし続けている嶋田さん

「私が島田商店に入社したばかりの頃は、とにかく働いて売るしかない時代で、経営理念もありませんでした。そんな中で時代は変化し、社員みんなが同じ方向を見て仕事をするために『何を基準に製品作りや販売をしていくか』を定める必要がありました。そこで決めたのが"wantsを追求すること"です。よく『お客様のニーズ』っていうじゃないですか。でもニーズだとまだ漠然としていて。さらにそこを深掘りして『何を求めているか』という明確なモノを探り、これからも形にしていきたいと思っています」

売りたいモノではなく、求められるモノを作って届ける。そんな信念を持つ墨田の企業が生んだ万能スプレーを、ぜひ生活に取り入れてみてください。

素敵なHello!が、今日もあなたに訪れますように。

(取材・執筆:山越栞)

株式会社理創研
住所東京都墨田区両国3-21-10両国メルティングポット  Google mapで見る
TEL03-3613-1320
WEBhttp://www.risoken.co.jp/
etc. Get!East Tokyo 

※本記事に掲載している情報は、2023年3月時点のものです。

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