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墨田の街で創業100年。変わらぬ純椿油の良さと、時代に合わせた変化を続ける黒ばら本舗

ドラッグストアのヘアケア用品が並ぶ売り場に、ほとんど必ず置いてある椿油。あなたは使ったことがありますか?

そんな椿油の定番となっているメーカーが、墨田区にあるのです。それが、2023年11月で創業100年を迎える黒ばら本舗。

今回は、長い間愛され続けているブランドの「変わらない」こだわりと、時代に合わせて「変えていく」姿勢に迫ります。

日本で愛されてきた椿油の力と、黒ばら本舗100年の歴史

日本では、古くから愛用されてきた椿油。その歴史は、約1200年前の万葉集の時代までさかのぼります。

当時は、食用、灯用、化粧用など、生活においてさまざまな場面で大活躍していた椿油。現在のように整髪料として普及したのは、江戸時代になってからでした。

以来、髪に潤いを与えて美しく保つヘアオイルの一つとしてよく知られていますが、椿油ならではの特徴は「オレイン酸」と「不乾性油」という点です。

椿油の成分の約8割を占める「オレイン酸」は、人間の皮脂の約4割に当たります。そのため肌や髪になじみやすく、安心して使えるのだそう。

また、オレイン酸は空気に触れても酸化しにくく固まりにくい性質を持つ「不乾性油」。だから椿油を髪や肌につけることで、水分の蒸発を防ぎ、保湿し続けてくれる効果が期待できるのです。


椿油の成分構成(黒ばら本舗公式HPより)

そんな椿油を扱う黒ばら本舗が創業したのは、関東大震災後の1923年。

創業者の瀧澤直治郎氏が新潟県から現在の墨田区本所で「滝澤勇昇堂」を始めたのがはじまりでした。はじめは化粧品の製造や椿油などの量り売りをしていたそうですが、時代のニーズに合わせ、さまざまな商品を世に出していきました。

創業時の風景と瀧澤直治郎氏

1984年には、保健衛生に寄与した功績を認められ、東京都知事から功労賞を授与されました。

発売当初の「純椿油」

そして、現在もほとんど変わらないパッケージ。これには、きちんとした理由があります。

ここからは、三代目代表取締役の滝澤芳子さんと、マーケティング担当の吉田篤史さんにお話を伺います。

三代目代表取締役の滝澤芳子さん(手前)とマーケティング担当の吉田篤史さん(奥)

あえて「変えない」こと、積極的に「変える」こと

椿油を大きく扱っているのは2、3企業がある中で、その中でも黒ばら本舗がシェアを広げられたのは「生搾り製法」という特徴を謳ったからです。

吉田さん:一般的に椿油は、熱を加えることによって臭いを飛ばしたり、余計なものを取り除いたりして製品化されます。私たちはあまり熱を加えずに時間をかけて製品化しているので、髪や肌への浸透性や保湿力が高いものをお届けできているんです。

滝澤さん:よかったらちょっと肌に乗せてみてください。

そう言ってもらい、実際に手に出して塗ってみると、思いのほかさらさらで臭いがないことにびっくり!


さらさらと伸びて肌になじみます

お客様のなかには、黒ばら本舗の椿油を10年以上も愛用している方も少なくないそう。ヘアオイル市場では続々と新商品が生まれているなか、ロングセラー商品としてドラッグストアの棚に並び続けていることが、その実力を証明しています。

あえてパッケージのリニューアルをしないのも、年配のお客様が「いつもの椿油」として混乱せずに手に取ることができるための配慮でもあるそう。

吉田さん:この瓶の形も、実は特注で作ってもらっているんです。なので「やっぱり椿油といえばコレだよね」と思ってくださっているお客様も多いですね。


形も美しい純椿油の瓶

黒ばら本舗では、この椿油をベースにしながら、さまざまな商品を生み出しています。オフィスの棚には、そんなアイテムがずらり!


椿の黄色いパッケージが映えます

中でも「ツバキオイルヘアクリーム」は、「純椿油」をしのいで最も売上をのばしている大人気商品なのだそう。

他にも、コロナ禍で需要が伸びたハンドケアアイテムや、新商品の薬用シャンプーなど、気になる商品がたくさん!

《詳しくはGet! East Tokyoでご紹介しています》


また、社内の方々も知らぬ間にぐんぐんと売上を伸ばしていった商品がこちら。

刃物椿(ディスペンサー 245ml ¥1,080 参考売価/ポリ 100ml ¥550 参考売価)※いずれもオープンプライス

包丁や日本刀などを美しく保管するために塗る椿油配合のオイルです。

吉田さん:最近では海外の方から日本の包丁や刀が人気で、浅草の合羽橋道具街には、包丁を取り扱う売り場の横に置いていただいています。

さらに、「変わらない」ものを提供するだけでなく、若い世代の人たちにも黒ばら本舗の商品を届けようと、新しいアイテムの開発にも前向きです。

mellian ラスターオイル(左:金木犀の香り、右:ミモザの香り)全国のウエルシア・ロフト・アインズ(オンラインショップ含む)にて販売中

昔から同じままのレトロな「純椿油」とは打って変わって、イマドキにデザインされたパッケージに、若い女性に人気の香り。

同じ会社の商品だとは想像しづらいかもしれませんが、もちろん中身の品質はヘアケア業界の老舗が生み出すクオリティです。香料も安価なもので妥協することなく、自然な香りにこだわっているそう。

滝澤さん:基本はやっぱり椿油がウチの強みではあるけれど、それ以外の商品も、黒ばら本舗ならではの付加価値を加えながら、幅広い層のお客様に向けてお届けしていきたいと思っています。

「変えない」で守り続けることと、時代に合わせて柔軟に「変える」こと。どちらも大切にすることで、同業者からも「どんな風にしているのか」と相談がくるほどだそうです。

地域とともに歩んできた老舗の椿油をぜひお試しあれ

本所の地でモノづくりを続けて100年。黒ばら本舗は、名前を変えながらも地域の企業として根付いてきました。その功績から、2016年には「すみだモダン」の認証も受けています。

滝澤さん:実はウチの会社は、3度名前が変わっているんです。まずは創業時の瀧澤勇昇堂から「株式会社うた椿」へ。この時は、椿油の会社として力を入れていくタイミングでした。そこから、椿油だけでなく化粧品業として広げていこうと、創業者である祖父が「株式会社黒ばら本舗」に変更して、今に続いています。


社名のもととなったバラの絵画。創業者の方は植物好きだったそう

滝澤さん:昔から、お祭りなどを支えるのは地域の企業の役目でした。なので町会に太鼓を寄贈したりね。私もこの街で生まれてからずっと暮らしているので、「良さ」というのは改めて考えないと実感できないほどだけれど(笑)。でもお祭りがあったり、隅田川があったりと、昔からの魅力もあるし、最近はスカイツリーができて街の変化も感じますね。

吉田さん:最近は街を行き来する観光客が増えたなという実感はありますね。あとは、すみだモダンをきっかけにして、墨田区にはさまざまな企業さんだったり、歴史があるんだなと知ることができました。

「変わらないもの」と「変わるもの」が入り混じっているのは、黒ばら本舗さんだけでなく、墨田の街も同様なのかもしれません。


最後にお見送りをしてくださった吉田さん

吉田さん:純椿油は、見た目はレトロで若い世代の方々にとっては「年配の方向けのもの」というイメージがあるかもしれません。でも、さまざまなオイルを使ってみた結果、2周3周してウチのアイテムを「使ってみたらよかった」と感じていただけたら嬉しいですね。

日本人の髪質・肌質に合っているからこそ、古い歴史の中で愛されてきた椿油。中でも上質な生搾り製法の「純椿油」シリーズを、この機会にぜひ手に取ってみてください。

素敵なHello!が、今日もあなたに訪れますように。

(取材・執筆:山越栞)

株式会社黒ばら本舗
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※本記事に掲載している情報は、2023年5月時点のものです。

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