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再生素材100%のサスティナブルなアイテムで、ミストなテクスチャーをまとう。MISTY LAYERのものづくり

名前の通り、なめらかなミストをまとったようなテクスチャーの、カラフルなバッグやポーチ。

今回ご紹介するMISTY LAYER(ミスティーレイヤー)のアイテムは、100%再生素材の塩化ビニル(PVC)からできています。

これらを手がけているのは「素材の裁断屋さん」として創業70年以上もの歴史を持つ、紅日裁断(こうにちさいだん)というものづくり企業です。

再生素材を使用したサスティナブルなプロダクトとして、生まれたばかりのブランド、MISTY LAYER。お話を聞けば聞くほど、細部までぬかりのない上質なつくりに惹かれるばかりでした。

オールシーズン愛用したくなるミスティでおしゃれなプロダクトたちの秘密に迫ります。

裁断のプロフェッショナルたちが生み出した、初の自社ブランド

MISTY LAYERのお話を伺いに訪ねたのは、江戸川区の住宅街にどんと構える紅日裁断の本社です。

70年以上もの歴史を紡いできた紅日裁断のキャッチコピーは「切る事の専門家」。創業時から、ビニール素材を中心にあらゆる素材の裁断を生業としてきたそうです。


工場内には大きな機械も。手際よく正確に裁断されていきます

今回お話を伺った中野信之介さんは、幼い頃から家業として紅日裁断の仕事を見続けて育ち、現在はMISTY LAYERの開発や運営にも携わっているそう。


中野信之介さん(左)。MISTY LAYERについて詳しく教えていただきました

「MISTY LAYERは、2022年のコロナ禍から本格スタートしました。当時は不況に見舞われる工場もたくさんあった中で、ウチは幸いにも、飛沫対策製品のパーツを裁断する仕事が増え、業績としては落ち込むことはなかったんです。とはいえ、この辺でもコロナ前から町工場が廃業になったりしていて、危機感は元々ありました。だから、これまでのように受注仕事だけでなく、自分たちで需要を生み出すことも必要だという話はしていたんです」

大手企業からの依頼も多い紅日裁断ですが、それが最終的にどんな商品になるかは知らされないのが当たり前の業界。こうした下請けの仕事だけではなく、自分たちでオリジナル商品を作り、売るところまで全てチャレンジしてみようと動き出した成果が、MISTY LAYERなのです。


カラフルな半透明のアイテムたち

MISTY LAYERの魅力は、なんといってもこの「ミストをまとった」ようなサラリと半透明の質感と、豊富なカラーバリエーションです。

「ウチはものを作るのが本業なので、デザインの考案から試作品の完成までスムーズにできるんです。社内のみんなで『あんなのがいいんじゃないか』『こういうのはどうか』と話し合って進めていくうちに、気がつけばアイテムのバリエーションは53種類にまでなってしまって(笑)。それぞれ8色展開なので、お気に入りをぜひ見つけてもらいたいです」

と、中野さん。さらに、百貨店などでのイベント出店時には、自分でバッグやポーチを組み立てられるキットを使ったワークショップが人気だそう。

色とりどりのパーツを使って自分だけのオリジナルアイテムを制作でき、お子さんでもハサミや接着剤を使わずにできることが魅力です。


ワークショップの様子

と、こんな風にデザインや色合いの楽しさだけでもすでに魅力的なMISTY LAYERですが、実はさらに、ノウハウの蓄積された「プロ」だからこそのただならぬこだわりが詰まっているんです。

サスティナブルな取り組みにもつながる、その裏側とはどんなものなのでしょう?

「わざわざやること」が価値になる。ビニール素材を知り尽くしているからこそのこだわり

MISTY LAYERの生地は、日々の作業の中で出る塩化ビニルの端材をメーカーに買い取ってもらい、特注の素材に再生したものを、またさらに紅日裁断が買い取ったもの。

つまりMISTY LAYERは、ものづくりの過程で出てしまうロスを削減するサスティナブルな取り組みから生まれているのです。

「もともとビニール業界では、端材を買い取ってもらい、再生する取り組み自体は昔から行われていました。でも、まだまだ『まっさらな新品』が最も高価だという価値観のある世界なので、わざわざ再生素材であることを伝えてこなかったんです。一方で、今はSDGsへの関心が高まりつつあるからこそ、あえて我々が先陣を切って発信していき、興味を持ってもらえたらなと思っています」


スマートフォンケース用に型抜きされたMISTY LAYER独自の素材

とはいえ単に「再生素材」といっても、MISTY LAYERの生地は細かな職人技によって出来上がっています。

「まず、端材を集めて再びドロドロの液状に溶かされた塩化ビニルに色をつけるには、熟練の知識と技が必要です。例えば透明な端材であっても、メーカーによって色味が絶妙に異なっているんです。これを熟練の職人さんが調色しているので、実はMISTY LAYERのアイテムは、同じ色でも絶妙な個体差が出る場合も。それを面白がってもらえると嬉しいですね」


MISTY LAYERのカラーバリエーションはこちらの8色

ビニール素材は化学製品。だからこそどれも全く同じ素材として出来上がるものだと誤解しがちですが、一つひとつの味わいを感じられる余白が生まれるのは、再生素材ならではの魅力かもしれません。

そして、さらなるこだわりが他に2つもあるんです。

「一般的に世の中に出回っているサラリとした半透明のビニール素材は、生地が薄いものがほとんどです。そこで、透明なビニールの両面に薄い半透明のビニールを貼り合わせてもらい、実はこの素材って、三層構造になっているんです。そうすることで色味もより鮮やかになり、生地も厚みが出て丈夫になりました」


ありそうでなかったこの手触り感と色味には、たくさんの手間とこだわりが詰まっています

そしてもう一つ。MISTY LAYERのルーツとなっている「裁断」の技術力にも注目です。

「紅日裁断は『実用新案』といった、いわゆる『特許』のような加工技術を持っているんです。普通、ビニール素材をカットすると、断面に角がふたつできますよね。そこが肌に触れると痛かったりする。そこでウチではさらに特殊な一手間を加えて、断面を滑らかな肌触りにしているんです」

すみずみまで抜かりのない配慮に、「わざわざそんなことまで!」と感動しっぱなし。ビニール製品は海外製の安価なものも多いなかで、なかなか真似できないポイントがMISTY LAYERにはたくさん詰まっています。

また、上質な素材でできているため、もちろん冬場でも割れたりと劣化してしまう心配もなし。オールシーズン愛用できるのも嬉しいですね。

コロナ禍を経て人々の元へ。手にとって感じて欲しい心地よい感触

紅日裁断の工場がある江戸川区は、同じように古くからものづくりに携わってきた企業が点在する街。

そんな場所で、コロナ禍とともに変化していくものづくりの現場と向き合いながら生まれたMISTY LAYERは、これからがお披露目のタイミングだそう。


コーディネートのアクセントにも◎

「ECサイトもありますが、今はまず、催事などに出店させていただきながら、ワークショップなどを通してお客様に『手売り』していくことを大事にしています。手にとってもらった方が生地の質感が伝わりますし、自分たちも現場でお客様の反応を直接感じられることが、なによりの財産になるので」

持っていると、ついついこだわりを人に自慢したくなるようなMISTY LAYERのアイテムたち。ちょっとしたプレゼントや、お揃いにも良さそうです。

こだわり抜かれた再生素材の手触りをぜひ、あなたの手で感じてみてください。

素敵なHello!が、今日もあなたに訪れますように。

(取材・執筆:山越栞  撮影:花田友歌)

MISTY LAYER
住所東京都江戸川区大杉5-15-22(紅日裁断 本社)  Google mapで見る
TEL03−3655-5001
WEBhttps://mistylayer.com
SNS Instagram
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※本記事に掲載している情報は、2023年8月時点のものです。

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