おもしろいモノづくりを追求する“販促のプロ集団”。マルエムPOPのenjoy!マインド
私たちが日常でなにげなく目にしたり、触れているPOP。
例えばドラッグストアのコスメ売り場に作られた特設の販促物や、イベントのポスター、立て看板などが一般的ですが、イースト東京の浅草橋に、その範疇を超えた会社があります。
今回お邪魔したマルエムPOPは、下町の職人さんや日本各地の専門業者とのつながりを大事にしながら、「こんなことまで?!」と驚いてしまうようなものづくりをしているPOP屋さん。
フットサルチーム「リガーレヴィア葛飾」のオフィシャルスポンサーとして公式グッズを展開するなど、利益度外視にすら感じられるようなサポートをしているようにも見えますが、そこにも下町人情が育んだ「人とのつながり」という大きな価値がありました。
そんな「enjoyモノづくり」というコンセプトをこれ以上ないくらいに体現しているマルエムPOPの秘密を教えてもらうため、代表の松丸さんと、営業部の伊藤さんにお話を伺います。
あらゆる大手企業の販促物制作に応えてきたPOPの専門企業
浅草橋駅を目の前にしたピカピカなオフィスビルのエレベーターを上り、マルエムPOPのオフィスにつながるドアを開けると、まるでアミューズメントパークのように遊び心ある販促物に埋め尽くされたエントランス。
「自然が好きなのでね」と社長の松丸さんがおっしゃる通り、壁にはぐるりと自然風景の印刷が施され、あちこちに過去の制作物が並んでいます。
しかも、置いてあるサンプルには、誰もが聞いたことのあるメーカーやブランドのロゴばかり。
松丸さん:マルエムPOPは私の父が立ち上げた会社です。上野で30年間続き、2018年に浅草橋に移転してきました。販促物をメインとした広告代理店・総合商社という役割は創業当初から変わりませんが、浅草橋はそういったモノづくりに特化した街であり、仲間の会社もたくさんいて、更にこのビルは母が通っていた中学校の跡地でもあるんです。そういったご縁を感じたんです。
POPとは、「Point of purchase advertising」を略した言葉。つまり、商品を売るために特徴を記した広告物のことを意味します。
マルエムPOPの強みは、まず下町で約40年間築いてきた知見とつながりです。
松丸さん:例えば「タレントさんの写真を入れるならこの工場」、「2色刷りならこの工場」など、予算感とクオリティに応じて全国各地の協力工場さんにお願いできる体制ができています。というか、ウチから仕事を振るというよりも、全国の工場さんの代わりに営業をしているくらいの気持ちですね(笑)。長い付き合いの中で、難しい加工も無理を聞いてもらったりと、持ちつ持たれつの関係ができていて。ここまで現場に近い広告代理店はないかもと思うくらいですね。
さらに2つ目の強みは、自社工場の存在と、その規模の大きさです。
マルエムPOPでは全国の協力工場とのつながりを生かすために独自の工場を5つも持っており、販促物の制作から組み立て、在庫の保管、発送までを一手に担うことができるそう。
松丸さん:コロナ禍の影響でEC事業に力を入れ始めるクライアントも増える中で、在庫を持つにはスペースの確保と発送業務がなかなか難しいという相談もあって。そんなときにも対応できるように、ウチが在庫管理から発送まで代行してさしあげられるような体制をとっているんです。本来はPOP屋なんですが、今では自転車やゴルフのキャディバッグなんかまでお預かりして、工場から発送を代行しています。
POPに限らず、お店の支援に関わるアイテムをまとめたカタログまで発行しているというから驚きです。これも、自社工場で在庫管理ができる強さ。出店する際の環境を整えるサポートをしたいという心意気が感じられます。
そして、こうした協力工場とのつながりと在庫保管が可能な自社工場の存在は、なんと独自の商品開発まで可能にしているそう。
では、自社商品の開発はどんな風に行われているのでしょう?
「面白そうじゃん」から始まる商品開発。モノづくりをとことん楽しむ姿勢
松丸さん:コロナ禍であらゆるイベントが中止を余儀なくされたことで、ウチも少なからず打撃を受けました。「これはまずいぞ」ということになり、急遽「衛生事業部」というものを立ち上げて、マスクやアルコールスプレー用のディスペンサーを自社開発したのですが、これがなかなかヒットしてましてね!
軽やかにそうお話ししてくださった松丸さんですが、その対応力とスピード感こそが、マルエムPOPの魅力であることは言うまでもありません。
さらに、商品開発は社員一人ひとりが裁量を持って自由な発想で取り組んでいるんだとか。
伊藤さん:毎週水曜日に新商品のアイデアを出す会議があるんです。もともとマルエムPOPには「enjoyモノづくり」というコンセプトがあるので、全国の協力工場にお願いしてアイデアを形にした商品を作ってきました。コロナ禍はとくにそれが顕著でしたね。
松丸さん:ウチでは、会社の営業や経営に関する会議は月に一回なのに対して、アイデア出しの会議は週一回なんですよ。大切なのは「今の時代に役立つものは何か」をみんなで話し合うこと。だから多数決で「面白いじゃん」となったら、チャレンジも含めてそれを商品化していくようにしているんです。これなんかは、伊藤のアイデアで作って、ちょっとスベってるやつですね。
伊藤さん:空気で膨らませるだけで、簡単にフェイスシールドになるアイテムです!これをつけた状態なら、飛沫感染を防止しながらも食事をしたりカラオケに行けたりすると思って作ったんですが…(笑)。まだまだ売っていきますよ!でも、このアイデアにGOを出してくれる会社ってなかなかないと思うんですよね。
聞けば聞くほど、「enjoyモノづくり」というコンセプトを体現している上に、松丸さんと伊藤さんの楽しげなやりとりにどんどん引き込まれます。お話を聞いている取材陣も思わずニコニコしてしまいました。
さらに、アイデア出しの会議だけでなく、社員さんたちが実際の売り場にある販促物を見て感じたことを共有し合う「売り場報告会」も定期的に開催されているそう。
どこまでもモノづくりにまっすぐなチーム。それがマルエムPOPです。
とことん支えて、人情第一。下町のPOP屋さんが手がける商品は日本中へ
最後に、マルエムPOPを語る上ではずせないのが、オフィシャルパートナーを初期から勤めているフットサルクラブ「リガーレヴィア葛飾」の存在です。
松丸さん:「Fリーグで日本一になるまで付き合う」って約束してるんです。リガーレヴィア葛飾の傘下には、子どもたちが所属するクラブチームもあります。彼らの夢を応援するためにも、私たちにできることはなんでもサポートするつもりです。
伊藤さん:POPや公式グッズ制作はもちろんのこと、自分たちで掲示もして、運営まで一緒にやっていますよね。僕ら社員は、これも仕事の一貫だと思っているくらいです。
マルエムPOPがそこまでして地域のフットサルチームを支えている理由も、冒頭でお話しいただいた協力工場に向けた想いと同じです。
松丸さん:やっぱり「人」のつながりが最後は一番大事だと思うんですよ。この間も、自社工場の在庫整理をする必要があって、本庄の工場まで社員で出向いたら、そこにリガーレヴィア葛飾の選手たちが手伝いにきてくれたんです。「力仕事なので僕らの方がいいでしょ」って。そういう人情のある関係性が好きだから、「会社がどんなに大きくなっても下町からは出ないぞ」って(笑)。
アイデアあるモノづくりを面白がること、時代のニーズにいち早く応えるスピード、そして、なによりも人とのつながりを大事にする姿勢。
マルエムPOPがあちこちから信頼を得ている理由は、これらの強みの根底にある「楽しもう」という精神なのだなと強く感じました。
単なる「POP屋さん」に留まることなく、マルエムPOPが手がける領域がどんどん広がっていくのにも納得です。
あなたの暮らしの中にも、実はあちこちにマルエムPOPが手がけたアイテムがあるかもしれません。
素敵なHello!が、今日もあなたに訪れますように。
(取材・執筆:山越栞 撮影:花田友歌)
住所 | 東京都台東区浅草橋1-22-16 ヒューリック浅草橋ビル9階 Google mapで見る |
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TEL | 03-5835-3725 |
WEB | https://www.marumpop.co.jp/ |
SNS | Instagram , X(旧Twitter) , facebook , YouTube |
etc. | Get!East Tokyo |
※本記事に掲載している情報は、2023年9月時点のものです。
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