錦糸町に鎮座する海産物の専門店「魚寅」。その2階に広がる非日常空間の魚寅鮨へ
錦糸町駅前に降り立ったことがある人なら、誰もが目にしたことがある、蔵のような特徴的なビル。
「魚寅」と書かれた看板は、長きにわたり、この街を見つめてきました。
今回訪ねたのは、そんな魚寅ビルの2階にあるお寿司屋さん「魚寅鮨」です。
三崎港で獲れた新鮮なマグロをはじめ、素材ごとの美味しさを引き出しながら提供されるお寿司へのこだわりを、店長の橋本さんに伺いました。
錦糸町の街を見つめ、人々の食を支えてきた魚寅ビルの秘密
JR錦糸町駅の南口、いくつもの商業ビルが立ち並ぶ大きな通り沿いに建つ魚寅は、安くて新鮮なマグロのブツが有名な鮮魚店です。
休日には店頭に行列ができることも珍しくはなく、錦糸町で暮らす人々の馴染みの店として、街の風景を担ってきました。
魚寅の母体となっているのは、神奈川県の三崎港で1967年に創業し、鮮魚の卸問屋を営む鈴木水産です。だからこそ、私たち消費者は三崎港直送の天然マグロをはじめ、質の良い海産物をリーズナブルな価格で買い求めることができるのです。
「漁港が近くにあるわけでもない錦糸町に、なぜこんなに本格的なお魚屋さんが?」と不思議に思っていたのですが、そんな背景があったなんて。
でも、今回ご紹介するのは、そんな鮮魚店の2階にある魚寅「鮨」のほう。
魚寅鮨は、2006年に魚寅の2階にオープンした本格寿司店です。
店長の橋本さんは、2014年に魚寅鮨に入り、2023年に現在の役職に就いたそう。それ以前にも、数軒のお寿司屋さんなどで修行をしてきた、寿司一筋の板前さんです。
「魚寅同様、三崎から直送する新鮮なネタが、ウチの強みです。マグロはもちろん、朝獲りの地魚もぜひ味わってください」
店内はカウンターのほか、複数人でも座れるテーブル席から、宴会にも使える個室まで完備。「まわらないお寿司屋さん」となると、特別な日の贅沢に行くお店というイメージがありますが、「いつでもいらしてください」と橋本さん。
まずは、ランチタイムに気軽に訪れてみるのもいいかもしれません。
カウンター越しに垣間見る、プロの手さばきと美食のひととき
今回はカウンター席でお寿司をいただくことに。
ショーケースには丁寧に管理された新鮮な寿司ネタが並び、ついつい心が躍ります。ネタの種類は約40種類にものぼり、その時々で旬のものを味わうことができるそう。
お寿司のほか、一品料理や三崎のマグロ料理もメニューに取り揃えられています。
カウンターから板前さんがお寿司を握る姿を間近で見ながら、早く食べたい気持ちが半分、ゆっくり眺めていたい気持ちが半分。
そんな風にお寿司を待っていると……?
出てきたのは、きらきらと輝くような新鮮なネタのお寿司です。
また、お寿司に合うように季節ごとにセレクトされた日本酒も要チェックです。日本酒ビギナーから通の方まで、お店の方に相談すれば好みに合った日本酒をおすすめしてもらうことができます。
お寿司とお酒を味わいながら、板前さんとの会話にも花が咲く。そんなひとときを愉しむのも乙ですね。
訪れる人々のハレとケを担い、新鮮な海産物を届けるランドマーク
街に開かれた活気ある鮮魚店の「魚寅」に対して、その傍らにひっそりと暖簾を下げ、2階に上がると非日常の空間が広がる「魚寅鮨」。
魚寅鮨に来店するお客様の中には、「下ではもう30年も買い物をしてきたけれど、今回初めて2階に上がってきた」という方もいらっしゃるそう。
この二面性が、地域で長く愛される魚寅ビルの存在感を確固たるものにしているのかもしれません。
魚寅で新鮮な海産物を手頃に買う楽しみも、魚寅鮨で凛とした上質なお寿司を味わう楽しみも。錦糸町の日常と非日常を支える魚寅ビルは、今日もランドマークとして街を見つめてくれています。
あなたはどちらの「おいしい」が気になりましたか?
素敵なHello!が、今日もあなたに訪れますように。
(取材・執筆:山越栞 撮影:花田友歌)
住所 | 東京都墨田区江東橋3-9-14 鈴木水産魚寅2階 Google mapで見る |
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営業時間 | 平日 11:00~14:00/17:00~21:00(ラストオーダー)21:30閉店 土曜・祝日 11:00~21:00(ラストオーダー)21:30閉店 日曜 11:00〜20:00(ラストオーダー)20:30閉店 |
定休日 | 年中無休 ※年末年始の特別休業日あり |
TEL | 03-3631-5465 |
WEB | https://hougyo.com/uotora/ |
etc. | JREMALL |
※本記事に掲載している情報は、2023年10月時点のものです。
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